健康の為になる散歩術<01>
いく人ものご老人と接するとき、
ふと気づくことがあります。
体力低下や筋力低下は少しずつ始まりますが、
あるとき、一気に低下する時期があります。
あっと言う間です。
ついこの前まで、元気に歩いていた人が、
数年後にお会いすると、別人になったかのように
弱りきっていることもしばしばです。
- 「なぜ、老いるときには、あっと言う間に老いるのだろうか」
ふと、思います。
長く生きているわけではありませんが、私の身内、親族、
知人など、そういう特徴に気づかざるをえません。
これは、ある悪循環が関係していると思われます。
まず、若いうちは体力や筋力がありますから、
スポーツを楽しんだりして、体力や筋力を維持できます。
元気だからスポーツをする。
スポーツをするから、体力や筋力が強化され、
またスポーツに励む。
こういう健康を維持しやすい好循環があります。
しかし、人間は時間が経てば、必ず年を取ります。
年を取ると、体力や筋力は、次第に衰えてきます。
しかし、この「老いる」という状況を、
過大に考えてしまいすぎる傾向があります。
「体に無理をさせないように」と思い、
一転して体を動かさない方向へと考えてしまいがちです。
単に無理をしない範囲で運動を楽しめばいいのに
「するか、しないか」という白黒で考えてしまう。
そういう本人の意識に加え、
周囲の人からのアドバイスも影響があるのでしょう。
たとえば、医者や家族から
「無理はなさらないようにしてください」とアドバイスします。
もちろんご本人のことを思ってのことです。
しかし「無理をしないように」というアドバイスと
「あまり運動しないように」を誤解して
受け止めてしまう傾向がある。
弱りつつある自分を悟り、
余計にそういうふうに考えてしまうのかもしれません。
- 「たしかにそうだな。もう無理はしないようにしよう」
このように悪化の一途をたどり、だんだん衰えます。
- 「動かない→筋力が衰える→さらに動かなくなる→さらに衰える」
まさに悪循環。
そうしたときに、転んで、けがをしてしまいます。
入院でしばらくの間、寝たきりになり、一気に下降線をたどります。
ただでさえ弱っている体が、もう日に日に動かなくなるほどです。
健康を維持するのは、簡単なようで難しい。
ことの始まりは「無理をしないようにしよう」と
思い始めたことです。
どこかで、この悪循環を断ち切ることが必要です。
それが、老若男女、
誰でもできる「ウォーキング」だと考えています。