人から愛される言葉の習慣<24>
元気がないときは、
元気が出るまで何度でもやり直す。
私が小学生のころ、理科の先生に
「K先生」という年配の男性教師がいました。
年配にもかかわらず、熱血の先生でした。
K先生は、
必ず明るい授業をする先生でした。
そういう雰囲気ができるようにある方法を
実践していたからです。
先生は教室に入るとき、
わざとらしくドアを大きく開けた後、
大きな声で「おはよう」と言います。
教室の中にいる生徒の中には、
突然の大きな声に驚いている人もいれば
「おはようございます」と
返事をする人もまばらにいます。
挨拶の返事が小さければ、
K先生は面白いことをします。
- 「声が小さい! やり直し!」
先生はまた廊下に出て、初めからやり直します。
「テイク2」です。
一度目と同じように、
わざとらしくドアを大きく開けた後、
大きな声で「おはよう」と言います。
さすがに2回目ですから、
生徒の全員がK先生の大声に負けないように
「おはようございます」と言い返します。
生徒全員の声が合わさると、
逆にK先生の声より大きくなり、
先生が押されるほどです。
その瞬間、元気のスイッチが入ります。
だらりとしていたクラスの雰囲気が、
ぱっと明るくなります。
もし2回目の返事も元気がなければ、
先生は3回でも4回でも繰り返します。
クラスの元気が出るまで、
授業を始めませんでした。
これが先生の素晴らしい授業の方法でした。
うまいスタートダッシュです。
明るい雰囲気から始めると、
授業中も明るい雰囲気が続きます。
だからK先生の授業はいつも
明るくて元気がいっぱいだったのです。