気楽に生きる心の習慣<16>
人間と病は、切れない関係があります。
小さなけがや風邪くらいならいいでしょう。
しかし、人生では何があるか分かりません。
突然の交通事故もありますし、
思わぬ病に倒れることもあります。
重い病気にかかってしまい、
長期の入院が必要とされることもあります。
自分では大丈夫だと思っても、
ある日、突然起こります。
私は、
19歳のときに突然入院したことがあります。
体調が悪いときに「からいもの食べたら
元気が湧いてくるかな」と思い、
刺激の強い食事をしたら、
胃と腸が炎症を起こしました。
痛みで立てなくなってしまいました。
今なら笑えますが、
本当に立てませんでした。
「若いときには自分は大丈夫だ」と
思っても、無理をすればやはり
限界のある人間であることを自覚します。
まったく恥ずかしいことです。
健康には自信があったため、
この経験は大変ショックでした。
同時に学生時代の多感な時期に
入院を経験したことは、
貴重な時間にもなりました。
病院に運ばれ、炎症を抑えるため、
しばらくの間は絶対安静だと
医者から言われました。
部屋にはテレビはありませんし、
本1冊も新聞もありません。
私は海外に留学していたため、
両親は日本にいるし、見舞いに
来てくれる人は誰もいませんでした。
まさに1日中、
ずっと部屋に1人きりでいます。
そうすると、さまざまなことを考えます。
- 「自分の人生はこれでいいのだろうか」
- 「いつの間にか間違った道に進んでいないだろうか」
- 「これからどういう道を歩むべきか」
あれこれ忙しい日々ばかりのため、
自分のことをゆっくり振り返り、
人生について見直す時間はありませんでした。
しかし、突然の入院が、
それを考えさせるいい機会を与えてくれました。
あなたは入院したことがありますか?
入院することになったときはどうしますか?
起こってしまったことは、
悔やんでも仕方ありません。
もし入院することになってしまったら
「人生の夏休み」だと思うことです。
普段私たちは、学生なら学校に通い、
社会人なら会社に通勤しています。
親になれば子育てに忙しくなり、
気づけば老後を迎えています。
そんな忙しい日々のため、
なかなか自分について振り返る
時間がありません。
何となく考えることはあっても、
たっぷり時間を取って考えることは
少ないはずです。
万が一、入院してしまったら、
落ち込むばかりではなく、
自分の人生について
考えるいい機会に変えます。
長期の休暇で頭を冷やしましょう。
自分の人生を振り返ったり、
方向修正したりするための
いい機会だと考えるのです。