散歩の楽しみ方<29>
散歩の達人は、
いい年して迷子になることを恐れない。
普通、
私たちが散歩をするときは「保守的」になっています。
遠くまで歩いてみたい気持ちはあっても
「戻れること」を前提に歩いています。
- 「この先の道は歩いたことがないな。
歩いたらきちんと戻って来られるだろうか」
- 「もう少し先を歩きたいけど、
戻るときの体力はないから諦めよう」
歩いても戻れる道を歩いたり、歩いたとしても、
歩いて戻れるだけの体力などを考えたりします。
そのため、なかなか思い切った散歩ができません。
往々にして、
同じ道を歩いてばかりになりがちです。
しかし、散歩の達人は違います。
恐れを知らない冒険家です。
「歩いて戻れる」とか「歩いて戻れるだけの体力」など
小さなことは考えず、どんどん歩きます。
では、道に迷って迷子になったときは、
どうするのでしょうか。
近くにいる人に、道を聞けばいい。
人がいない山奥となれば話が別ですが、
普通に街を歩くのであれば、
さほど心配する必要はありません。
もし、歩いて戻れる体力がなければ、
乗り物を使って戻ればいい。
「一番近いバス停はどこですか。
一番近い駅はどこですか」と聞きましょう。
わずかなお金があれば、
交通費くらいはあるはずです。
最悪、タクシーを使ってもいい。
どんなに遠くへ歩いてしまっても、
そこに人がいるのなら、迷子になろうと思っても、
必ず助けてくれる誰かがいます。
そう考えると、何も怖いことはありません。
いい年して迷子になることを
恐れることはありません。
いい年して迷子になるのを前提に、
どんどん歩いてしまいましょう。
どんどん歩いているうちに、
散歩の達人になっているのです。