散歩の楽しみ方<28>
散歩の達人は、
手を使って生命力を感じ取る。
中年のおじさん、おばさんは、
なんでも触るのが得意です。
歩いている途中に樹齢が100年くらいの
巨大な木があると、とりあえず触ろうとします。
「うわっ、大きい木」と言いながら、木を触ります。
普通に考えれば「なぜ触るのだろうか」と思います。
たしかに大きい木ではありますが、
普通は見ているだけで十分であり、
触る必要はないと思います。
石碑があっても、とりあえず触ります。
石碑に書いてある文字を読めば十分のように思えますが、
なぜか触りたがります。
- 「見ているだけで十分。触っても仕方ない」
そう思うのは、寂しいことです。
触るのがポイントです。
これが達人です。
見た目は単なる木、単なる石でも、
触ることで対象からエネルギーが伝わります。
あらゆるものに、生命力が宿っています。
それは手で触れることで、伝わってきます。
手は1つのアンテナです。
握手をしたとき、一瞬であるにもかかわらず、
相手との距離が近づけたような気がするのも、
そのためです。
触ることで、
初めて言葉にできない力・印象・刺激を
受け取ることができます。
見ているだけ、聞いているだけでは、
伝わらない。
触ることが必要です。
散歩をしていると、
気になる物をたくさん見つけることでしょう。
神社にある大きな木・石碑など、
やはり触るのが一番です。
「触覚」という五感の一部を
刺激することになるので、記憶にも残りやすい。
もちろん「触ってはいけない」という
注意書きなどがある場合は控えるべきですが、
許されているなら触っておいたほうがいい。
生命力は、触ることで感じられるのです。